真珠の巻きについて
真珠における真珠層の厚みを巻き厚といいます。巻きは真珠を選ぶ上で最も重要な要素です。巻きの厚さは、テリや経年変化の度合いに直結するので、天成真珠では特にこだわりをもって養殖を行っております。
巻きの比較
巻きとは真珠層の厚さのことを言 います。真珠層は約0.4μ(ミクロン)の炭酸カルシウムの結晶と、コンキオリンというたんぱく質の層が何千層も積み重なって形成されています。
当年物(1年養殖)でも、巻きが厚い真珠ができることもありますが、越し物(2年養殖)の真珠の方が養殖の期間が長い分、巻き厚の珠ができる可能性が高くなります。
巻きによるテリの変化
巻き薄
巻き厚
巻き薄
巻き厚
写真の表面と断面図を比較すると、真珠層が厚くなるほど真珠の真ん中の珠が浮き出ているのが分かると思います。出来上がりが同じ大きさでも、真珠の核の大きさが違えば、品質も異なります。大きさにもよりますが、片側0.4mm~0.6mmの巻き厚があれば、標準的な巻きがあると言えます。大珠になると、稀に巻き厚1mm以上の真珠も存在します。
巻き厚と経年変化の関係
真珠は有機物なので経年変化は必ず起こりえます。明らかに目で見てわかる変化は別にして、成分的には必ず変化が起こります。一般的に、巻きが厚ければ厚いほど経年変化しにくいとされていますが、ある一定以上の巻き厚があれば、変色が早いということはありません。巻きが極めて薄い(まき厚0.2mm以下)真珠は核が透けて見えたり、表面の真珠層が剥がれ落ちてしまうというような危険性もあります。
巻き厚
ほとんど経年変化な し
巻き薄
経年変化による黄ばみ
巻き厚の真珠を作るために
真珠養殖を行う上で、当年物の養殖に比べ、養殖期間が長い、越し物の養殖は様々なリスクと向き合わなくてはなりません。時間的なリスク、海の中で真珠が傷つくリスク、貝の死亡リスク、自然環境の変化によるリスク等があります。私たちは由良半島という、越し物養殖に適した環境の中で、そのリスクを乗り越え、貝の健康状態を管理しながら、美しい真珠作りに励んでおります。